
作詞/作曲/編曲: Roasted Dice Studio
配信日: 2026年2月6日
カサカサと鳴る 小さな紙の袋
テーブルに広げた 不揃いな福の粒
「歳の数だけ食べなさい」なんて
昔の人は よく言ったものだね
一粒、二粒、奥歯で噛み砕くたび
香ばしい冬の匂いが 鼻を抜けていく
いいことがあるように、なんて願いながら
僕らは昨日までの自分を 飲み込んでいくんだ
「福は内」
開け放した窓から 忍び込む冷たい風
「鬼はそと」
でも その鬼はどこへ行くんだろう?
悪役を押し付けて 鍵をかける僕らの
心の隙間に 春はもうすぐそこ
ふと思ったんだ なぜ鬼はつのを生やして
嫌われ者の役を 引き受けているのかな
追い出すべきは 誰かの影じゃなくて
自分の中に住む 言い訳の鬼かもしれない
「ごめんね」って一言 言えなかったあの日
「寂しい」って一言 隠したあの夜
外へ放った豆が 夜の闇に消える
本当は 手を取り合って笑いたいだけなのに
夜空には 凍えるような星
豆を数える手が 少しずつ増えていくのは
僕らがそれだけ 誰かと出会い
季節を越えてきた 証拠だね
「福は内」
大切な人の名前を 心で唱える
「鬼はそと」
悲しみも孤独も 夜に溶けてゆけ
悪役のいない物語を いつか書きたい
そんな願いを 最後の一粒に乗せて


