
作詞/作曲/編曲: Roasted Dice Studio
配信日: 2026年9月24日
冷めたコーヒーの湯気の向こう
洗面台の明かりを灯す
ゴム手袋を裏返すように
脱ぎ捨ててきた 今日の私
鏡の前に ぽつんと立って
見慣れた他人と 目を合わせる
突き当たりの視線が まっすぐに
私の輪郭を 押し花にして写し取る
右手をそっと 持ち上げてみれば
向こうのあなたは 左手を上げる
すれ違う右手 180度の回り込み
「左右が逆だ」と呟いた 奥行きの嘘
本当はね
手前と奥が ぶつかり合って
Z軸がそっと ひっくり返っただけ
表と裏が ゼロ距離で息をしてる
ガラス一枚の境界線
指先を重ねても 決して重ならない
同じ姿で向き合いながら
同じ景色は見られない 対称の孤独
垂直な光が 迷わずに跳ね返る
思い込みの左右を ほどいていくように
振り返らない影が 静かに佇む
奥行きのない 世界のまんなかで
誰かの痛みを 分かろうとするたび
頭の中で ぐるりと回り込んで
都合よく世界を 捻じ曲げていたのかな
視線の交差点 光はただ
私へと 帰ってくるベクトル
ガラス一枚の境界線
触れ合っているのに 遠いふたり
それでも明日へ 向かうために
まっすぐな真実を ひとつ受け止める
垂直な光が 迷わずに跳ね返る
思い込みの左右を ほどいたその先で
見慣れた他人が ほんの少しだけ
優しく微笑んで 頷いた
Z軸の向こうへ
おやすみ、もう一人の私
静かに溶けていく
夜のピアノの音


